治療症例 / 院長ブログ

脊椎固定術後に再発された70代女性

患者様の情報

70代 女性

疾患・症状

患者様の状態

患者様は、以前に脊柱管狭窄症に対して脊椎固定術を受けられましたが、最近になって症状が再発したため当院を受診されています。


検査

MRI

腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎がボルトで固定されております。その為に隣接する椎間板に負担が増えたため、広範囲に椎間板変性脊柱管狭窄症が進行している状態です。この様な状態を隣接椎間障害と言い、FBSS(脊椎術後疼痛症候群)の原因になります。


治療

残存している椎間板に対してディスクシール治療を行う事で、神経症状の改善が期待できます。ディスクシール治療は北米で一般的に行われていますが、日本国内ではライセンスの問題で当院のみが行うことになっています。

Annulogram検査

Annulogram検査を行っているところです。このように椎間板の損傷部分を明らかにして、ディスクシール治療を行っていきます。

治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲン写真になります。左側が治療前、右側が治療後になります。治療時間は17分でした。鎮静剤を使用したので痛みを感じられる事はありませんでした。また、当院では治療によって1例も神経障害を引き起こしたことはなく、安心して鎮静剤をしていただいております。


院長の一言

悩み

どちらかと言うと楽天的な性格なので悩みは少ない方なのですが、9月にインドネシアの病院で椎間板治療についての講演を行うことに悩んでいます。現地の医師にディスクシール治療についても解説しなくてはいけないのですが、ライセンス契約で秘匿部分があり、その部分の説明を行ってしまうと損害賠償を請求される可能性があるんですよね。10億くらい?

秘匿部分をどうするか……質問されても「秘匿されています」というしかないのですが、絶対に「なんでやねん」「言っちゃいなよ」なんてしらけた雰囲気になりそうで悩んでます。日本なら「あきまへん、もし言うてもたら、わてがヤられてしまいますねん」「家族の世話してもらえるんならこっそり半分だけ教えますけど」なんて冗談で乗り切れるんですけど、インドネシアでは絶対無理。

イスラム教だけに下手な通訳されたら、ほんまにヤられるかもしれんし。こうなったら、頭の弱い振りでもしとこかな。ヅラ(ちょんまげ)買っとこ……。

ヘルメット子:ちょんまげ

今回の治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


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この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長・野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

大阪本院 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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