患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
本日の患者様は、特に腰に負担のかかる事はされていないのに、60歳を過ぎてから腰痛が持続するようになった方です。起床時の腰痛が強く、日常生活でも腰椎ベルトを使用せざるない状況であり、趣味の旅行などは到底できない状態です。「なんにも悪い事してないのに……」と嘆いておられました。
検査

腰のMRI検査では広範囲に椎間板が変形しており、容量も低下しています。長期間にわたって椎間板損傷が進行してきたと思われます。なんにも悪い事してないのに。
治療
腰痛による精神的ストレスが強いため当日治療を希望されました
Annulogram検査
椎間板を検査したところ予測通り椎間板損傷を認めました。損傷部分が黒く映っています。
DRT法(椎間板再生治療)
損傷部分にDRT(椎間板再生治療)を行っているところです。患者様は鎮静剤で寝ておられますので、痛み感じる事はありません。
治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後です。
治療後に血縁者で腰痛に悩まれている方がおられるのではないかと伺ったところ、実父と父方のご親戚に腰痛患者様が多い事がわかりました。「なんにも悪い事してないのに」けれど、腰痛は遺伝する事をご説明しました。
院長の一言
ストレス
外来で腰痛による精神的ストレスが大きいという話がありましたが、私の場合、ストレスがたまった時には好きな音楽を聴く様にしています。KEMURI、Good4nothing,セクマシ、New Found Gloryなどです。最近ではKUZIRAというバンドの音楽も良く聴いています。すべてパンク系なので家族の理解は得られませんからイヤホン使ってます。

音楽聴いて明日もがんばりましょか。今日ははよ帰ろ。
今回の治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
関連するの疾患と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。

椎間板変性症

椎間板変性症とは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの様々な病気につながる恐れがあります。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任