保険診療と自費診療とは?

保険診療は健康保険に加入している全ての患者様が同じ診療内容を同じ金額で受けることができることを言います。
保険組合に加入していれば7~8割を国が負担してくれるため、実際に窓口で支払う費用は2~3割程度で済みます。
対して自費診療(保険外診療)は全額患者様の100%自己負担となります。

保険診療と自費診療の表

脊柱管狭窄症の手術方法と費用

脊柱管狭窄症の手術方法は大きく分けて2つあります。
1. 外科的手術
2. 椎間板治療
どちらも手術という扱いになりますが、手術方法・目的はそれぞれ異なります。

①外科的手術は悪いところを切る「切除」と悪いところを切り、背骨を固定させる「固定」の大きく2通りに分かれています。
切除は神経に飛び出した椎間板や骨を削り圧迫をとることを目的にしています。
固定は主に脊柱管狭窄症・すべり症などに対して行われています。骨が不安定で症状が重い場合(歩行困難や排尿障害など)に行われることが多く、椎間板と呼ばれる骨と骨の間にあるクッション機能を持つ部分を取り除き、そこに人工の骨を入れ背骨をボルトで固定することによって背骨を安定させる目的があります。


②脊柱管狭窄症の椎間板治療はあまり推奨されていませんでした。
PLDD法というレーザーでヘルニアを焼き、神経への圧迫を緩和させる方法がありますが椎間板ヘルニアの軽症~中症状の方が対象となり、脊柱管狭窄症で症状が強い場合には手術が適応できないと診断されることが多いからです。
しかし、椎間板自体を再生させることで再発を防止する「修復・再生」の治療法があります。
DST法は椎間板を修復・再生させる治療法です。従来の外科的手術では切って固定するという方法でしたが、この治療は切らずに椎間板を修復・再生させることを目的にしています。従来の方法は椎間板を切った後に傷口を塞ぐようなことはできず、切ったところから再発してしまうことが問題でした。また、骨を削る場合も同様で削ることで圧迫を減らせるものの骨が不安定になり、それが原因で骨が滑るすべり症や腰椎不安定症などを引き起こす要因になっていました。
DST法は骨や靭帯、神経を傷付けずに治療ができるため身体への負担が少ない治療法です。


手術方法と特徴・手術費用の比較

手術方法 入院・切開 手術費用
MEL(内視鏡下腰椎椎弓切除術) 入院:4~7日間、切開:16mm~18mm 保険適応(3割負担):25万円~30万円
ME-PLIF/TLIF(内視鏡下腰椎椎体間固定術) 入院:8~10日間、切開:10mm~20mm 保険適応(3割負担):60万円~85万円
DST法(ディスクシール治療) 入院:なし(日帰り)、切開:なし 保険適応外:1箇所(1,320,000円)、2箇所(1,430,000円)、3箇所(1,540,000円)、4箇所(1,650,000円)


手術における保険診療と自費診療の比較

脊柱管狭窄症の手術方法は保険診療になるものと自費診療になるものが存在しています。
保険診療は手術を行う際に手術に使用する材料や期間、薬剤などに細かい規制があるため決められた手術方法しか案内できません。
対して自費診療(保険外診療)は費用面での負担額が大きくなってしまいますが、「この病気ならこの治療法」という決まった制限がなく、患者様に合わせた治療法を選択することが可能です。

自費診療(保険外診療・全額自己負担) 保険診療(1~3割自己負担)
術前検査 必要な検査を当日中に行います。 複数回のご来院が必要です。
外来順番 完全予約制のため待ち時間が短く、待合室でお待たせすることはほとんどありません。 ご来院当日の受付となります。
手術待ち期間 検査・診察当日に手術が可能です。 1~2カ月程度の待ち時間です。
入院期間 日帰りのため入院はありません。 治療からリハビリまで約2週間~1カ月程度必要です。
傷口 切開はしません。注射跡(0.8mm)程度が術後1週間ほど残りますが時間とともに目立たなくなります。 手術方法によりますが、15mm~150mmになります。
麻酔法 局所麻酔で行います。 全身麻酔が中心です。
筋肉への影響 切開をしないため影響はありません。 筋肉や靭帯等の切開を行うため回復期間が必要です。
骨への影響 骨への影響はありません。 骨を切除するため、出血は多くなります。背骨が不安定な場合などには骨をボルトで固定することがあります。
手術使用器具 薬事法で認可された薬剤を使用しています。医療材料に制限はありません。 日本国内で認可された医療材料による手術が義務付けられています。
日帰り手術 DST法PIDT法PLOT法PODT法PLDD法
※治療の詳細は各治療法をクリック
ありません。
入院・手術費用 手術費用のみ
詳しくはこちらをご覧ください。
保険診療点数により全国均一の費用になります。負担割合は(1~3割)
社会復帰 手術翌日より日常生活が可能。軽作業などは1~2週間後から再開可能です。 筋・骨の切除範囲によって異なりますが、2週間~1か月ほど制限されることがあります。

※当院での自費診療手術と一般的な保険診療手術を比較しています。


医療費控除について

脊柱管狭窄症の手術は医療費控除の対象になります。
年度末の確定申告で申請いただくとその方の収入に応じて控除を受けることができます。

対象となる金額(最高200万円)
実際に支払った医療費の合計額 – 10万円 = 控除額

となります。ちなみに保険金などで補填された金額は対象外になります。


まとめ

脊柱管狭窄症は脊柱管が狭くなることで起こる病気です。
保険診療と自費診療では患者様の負担額に大きな差がありますが治療の選択肢を広げるという意味では自費診療での治療方法も選択肢の一つになるかと思います。
当院では椎間板治療しか行っておりませんが、患者様の状態によっては治療ができたとしても保存療法で様子を見ていただくこともあれば、骨に原因がある場合には外科的手術をお勧めすることもあります。
日常生活や趣味の山登り・ゴルフなど患者様のライフワークに合わせて治療の提案をするように心がけています。


この記事の著者

この記事の著者:野中康行院長

院長 野中 康行

NLC野中腰痛クリニックでは、DST法をはじめとする腰痛治療を行っています。海外の先進治療を導入することで、腰をはじめとする脊椎疾患に悩む患者様の治療の選択肢を広げ、症状や状態に合わせた治療を提案しております。 主に脊柱管狭窄症、すべり症、椎間板ヘルニア等の対象疾患を中心に、ご高齢の方、再手術を検討する方、短期間での社会復帰を求める方にとって体への負担の少ない治療法を提供しています。