腰痛とウォーキング運動について

近年、多くの方々がウォーキングを運動手段の一つとして認識し実践されています。
特に新型コロナウィルスの広がりにより本格的な運動やリハビリの継続が困難となったため、自宅近くでも容易に実施できるウォーキングが重視されています。
先人であるヒポクラテスも、歩行は人間の最良の薬であると説いています。*1
実際に私が診療させて頂いている多くの患者さま(脊柱管狭窄症、椎間孔狭窄症、外側陥凹病変や腰椎すべり症、椎間板ヘルニア等々の病気をお持ちの方)もウォーキングについて、大変興味を持たれており実施されている方も多くいらっしゃいます。

腰痛に対してウォーキングは本当に有効なのでしょうか?

研究によればウォーキングは集団運動プログラムや通常のリハビリ(理学療法)と比較して、有効性に差がないとされています。
そして、ウォーキングは継続的に続けられる事と費用が安価である事も示されています。*2

どの程度のウォーキングが適切であるのか?

では、どの程度のウォーキングが適切であるのか?に関しては、2016年に英国政府より提言が出されています。*2
報告によれば、1回あたり10分以上の中程度の運動(早歩き、サイクリング当)を1週間当たり150分以上(1日20分程度)行う事が推奨されています。
現実問題として、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、腰椎すべり症等の患者さまでは、1日20分も連続で歩けない場合もありますが可能な限りウォーキングを実践される方が腰痛に対する運動療法の一環として、また健康維持の一手段として推奨すべきと言えます。

以上よりウォーキングは腰痛に対して有効である可能性が高く、1日20分程度、可能であれば「早歩きで継続する」ことが推奨されます。


参考文献 参照元

※参考論文および文献※

*1:Is Walking the Best Medicine for Low back Pain? The BackLetter 25:78,2010.

*2:Hurley DA,Tully MA,Lonsdale C, et al :Supervised walking in comparison with fitness training for chronic back pain in physiotherapy: results of the SWIFT single-blinded randomized controlled traial(ISRCTN17592092).Pain 156:131-147,2015.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25599309/

*3:Public Health England:Guidance.Health matters:getting every adult active every day.2016.
https://www.gov.uk/government/publications/health-matters-getting-every-adult-active-every-day/health-matters-getting-every-adult-active-every-day


この記事の著者

この記事の著者:野中康行院長

院長 野中 康行

NLC野中腰痛クリニックでは、DST法をはじめとする腰痛治療を行っています。海外の先進治療を導入することで、腰をはじめとする脊椎疾患に悩む患者様の治療の選択肢を広げ、症状や状態に合わせた治療を提案しております。 主に脊柱管狭窄症、すべり症、椎間板ヘルニア等の対象疾患を中心に、ご高齢の方、再手術を検討する方、短期間での社会復帰を求める方にとって体への負担の少ない治療法を提供しています。