患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

今年5月15日に両足に神経痛としびれを自覚されるようになり、整形外科を受診されたところ脊柱管狭窄症と腰椎すべり症と診断され、内服薬などの治療を試みられました。その後も症状の改善が乏しく、日常生活にも支障が生じておられたため当クリニックを受診されておられます。


診察と検査結果

治療風景①

腰のMRI検査では腰全体の椎間板が損傷しヘルニアと呼ばれる変化を伴っております。同時に腰椎がずれており、神経の通り道も狭くなる脊柱管狭窄症と呼ばれる状態になっています。


施術内容

DST法

椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してDST(ディスクシール治療)を行い、坐骨神経痛の改善を図りました。

治療風景②

局所麻酔を行いながら治療用の管を椎間板まで挿入しているところです。

治療風景③

一部椎間板が潰れている為にNST針(椎間板造影用穿刺針)を用いております。神経を避けながら椎間板まで到達することができました。

治療風景④

NST針を用いて椎間板を検査しているところです。

間板の検査の様子です。この後椎間板治療を行っております。治療時間は16分ほどであり、1時間30分後には歩いて帰宅していただいております。


院長より一言

本日、外来で投薬管理をしている50歳代の患者様が来院されました。内服治療のみで坐骨神経痛がほとんど改善しておられましたので、今後は内服薬の減量と症状再発防止のためのリハビリ管理をお勧めいたしました。日帰り治療をせずに保存的治療で改善するのであれば幸いです。実は、私自身メスを入れる事や穿刺針を使用しての治療はさほど好きではありません。お身体への負担がなく、費用の掛からない方法が一番です。人生一度きりですので、笑って過ごしていただけるようにお供させて頂ければと思っております。
連日サッカーワールドカップが盛り上がっております。私も明日は19:00からは自宅で日本代表を応援したいと思います。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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