患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

約30年前よりぎっくり腰(急性腰痛症)を繰り返されていましたが、最近になり左足に坐骨神経痛を自覚されるようになられました。長時間座った後や歩行時に坐骨神経痛が悪化する状態であり、近くの整形外科を受診したところ脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアと診断されブロック注射による治療が開始されましたが、効果が低いために当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査では第4腰椎と第5腰椎、第5腰椎と第1仙骨の間にある椎間板が潰れかけており、飛び出した様な変形(椎間板ヘルニアと言います)も伴っています。また足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症と呼ばれる状態になっています。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

損傷した椎間板L4/L5、L5/S1の2箇所対してDST(ディスクシール治療)を行い、神経症状の改善を図りました。

治療風景①

鎮静剤を使用して寝ていただいた後に治療を開始しております。この写真では局所麻酔を行いながら、椎間板に治療用の管を挿入しているところです。

治療風景②

神経に触れない様に注意しているところです。

患者様は寝ていただいておりますが、検査の様子はすべて動画に記録しております。この動画では椎間板の損傷を確認しているところで、検査の後にDST(ディスクシール治療)を行いました。
治療時間は16分でした。患者様は治療直後にスッキリお目覚めになられています。


院長より一言

以前はロシアから患者様も来院され治療を行っており、ウクライナでの紛争で私が治療させて頂いた患者様の安否が気になります。若い患者様もおられましたし、ご無事であられることを祈るのみです。コロナ前には海外の医療展示会にも参加しておりましたが、来年春にクリニックとして展示会への参加を予定しております。展示会では海外の治療についても知ることが出来るので非常に有益です。また個人的にも欧州の腰痛学会(脊椎外科学会)への参加を予定しております。治療担当医の石田医師も北米研修を控えており、来年は研修でも忙しくなりそうです。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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