患者様の情報

60代 女性

病名


患者様の状態

8年ほど前よりご両親の介護で腰に負担のかかる状態が続かれておられ、腰痛と坐骨神経痛が時折自覚されるようになられました。近年は坐骨神経痛が悪化され、10分程度の歩行で痛みとしびれが出現し長時間の歩行がままならない状態となられたため、当クリニックを受診されておられます。


診察と検査結果

このMRI検査では2~3箇所の椎間板が薄くなっており、飛び出した様な変形を認めます。この様な状態を椎間板ヘルニアと言います。また第3腰椎もずれがあり、腰椎すべり症と言われます。神経も圧迫をうけており脊柱管狭窄症も合併しています。


施術内容

DST法

損傷した腰部椎間板L3/L4、L4/L5、L5/Sの3箇所に対してDST(ディスクシール治療)を行いました。

患者様のご希望もあり鎮静剤を使用しております。なお患者様は寝ておられますので、治療の様子は動画で記録をして治療後に説明をしております。

局所麻酔も使用しながら、慎重に椎間板まで管を挿入しております。3箇所で約5~6分程度の時間となります。

検査を行っているところです。この後DST(ディスクシール治療)を行っております。
治療時間は16分。患者様は痛みを自覚する事もありませんでした。


院長より一言

本日、外来に約3年前にDST(ディスクシール治療)を行った患者様が来られました。治療前には、まともに歩く事ができないほどの坐骨神経痛でありましたが、今は娘様の介護ができるようになっておられました。しかし時折、発作的に神経痛が出現する事がある為に受診されております。ご本人様的には治療後8割の改善を自覚されておられましたが、追加での治療を希望され椎間板治療を行わせて頂きました。この様に、椎間板治療で症状が部分的に残存することもありますので、診察をさせていただき適切な対策を行っております。昨日(日曜日)はゆっくりと静養致しましたので、本日はすこぶる元気であります。40歳代半ばですが静養の大切さを感じる日々です。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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