患者様の情報

60代 男性

疾患・症状


患者様の状態

令和3年12月頃より、5分程歩くと両足に痺れが出現するようになり、休み休みでしか歩行ができない状態になられました。様子を見られるも改善が無い事から、当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を真横から観察しており、向かって左側がお腹側、右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。このMRI写真では複数の椎間板が薄くなっており、足の神経も圧迫を受けております。この様な状態を脊柱管狭窄症と言います。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

損傷した椎間板に対してDST(ディスクシール治療)を行い、脊柱管狭窄症によるシビレの改善を図ります。今回は腰部椎間板L1/L2、L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/Sの5箇所にDST(ディスクシール治療)を行いました。

治療風景①

今回は鎮静剤のご希望がありましたので、静脈麻酔を用いて寝ていただきました。この写真は椎間板まで治療用の管を挿入しているところです。

治療風景②

治療用の管が良い位置に来るように微調整をしているところです。

椎間板の検査を行っている動画です。この後DST(ディスクシール治療)を行っております。患者様は治療後すぐにお目覚めになられ、2時間後には歩いて帰宅されています。


院長より一言

本日はDST(ディスクシール治療)後、約3年経過された患者様が来院されました。8割程度まで腰痛と下肢の神経痛が改善し、歩行距離も伸びているのですが、足裏の痺れが残っているとの事でした。MRI検査では改善を認めましたが、足裏の痺れに関しては後遺症になっていると判断いたしました。この様な神経に生じた後遺症に関しては、治療が難しく今後の課題であると思っております。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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